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FXチャンピオントレーダー 天羽義治のブログ

FXコンテストNO.1のFXトレーダー天羽義治がFXトレードについて、初心者にもわかり やすく解説します。

【来週の為替相場見通し(2012年2月13日~2月17日)】

今週は円安が進行するリスク選好の動きとなりました。

引き続き欧州、特にギリシャ支援をめぐる報道に関心が集まりましたが、
週明けはギリシャ支援に合意が先延ばしとなっていることが嫌気され、
不透明感からユーロ売りが進行する場面もありましたが、
7日には緊縮合意の草案がまとまったとされ、
ユーロドルは1.32ドル半ばまで急上昇しました。

また9日にギリシャ連立与党が緊縮案を合意したと伝わり、
これで1300億ユーロのギリシャへの第2次支援が予定通り実施され、
ひとまずギリシャのデフォルトは回避されるとの期待から、
市場全体にリスク選好の雰囲気が支配的となり、
為替市場では円安の動きが目立った。ドル円は77円台後半へ、
ユーロ円は103円台、豪ドル円は83円台へと水準を上げました。

また豪ドルにとっては9日に豪中銀が
利下げを見送ったことが買いを誘った面もありました。


ドル円としては7日発表の10-12月期の外国為替平衡操作(介入)実施状況により
本邦当局が覆面介入を行っていた事実が明らかになったり、
8日発表の国際収支で2011年の経常黒字が大幅減となったりしたことを材料に
円売り方向への推移を継続し、77円後半まで上昇しました。


ただ、週末にはギリシャが48時間のゼネストを実施、
ギリシャ与党の一角が支援条件に不支持を表明するなど、
ギリシャ国内の不協和音が露呈し、
全般的に上げ幅を縮小して今週を終えることになりました。



来週の米経済指標は

・14日、1月輸入物価指数、1月小売売上高、12月企業在庫
・15日、MBA住宅ローン申請指数、2月NY連銀製造業景気指数、
    12月対米証券投資、1月鉱工業生産・設備稼働率、2月NAHB住宅市場指数、
    ※FOMC議事録(1月24~25日分)
・16日、1月卸売物価指数(PPI)、新規失業保険申請件数、
    1月住宅着工件数・建設許可件数、2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、
    1月米消費者物価指数(CPI)、1月景気先行指標総合指数

が予定されています。
 
先週3日に発表されました1月の米雇用統計が強い結果となり、
米景気に強気の見方が増えていることもあり、
足元では円売り・ドル買いが出やすい状況になっていますが、
来週の特に1月小売売上高、2月NY連銀製造業景気指数、
2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数が注目されており、
この強気の見方に沿った結果になるかが焦点となりそうです。


ただ、来週もギリシャ債務問題が中心となり、一喜一憂する展開が考えられ、
基本的には最悪の事態は回避されるとの見方が強いですが、
ギリシャ債務問題の泥沼化によるリスク回避の円全面高と、
ギリシャの当面のデフォルト回避による円全面安の再開をにらんだ展開となりそうです。



まず、注目されますのが、前述の繰り返しになりますが、
週末10日にマーケットの話題の中心となりましたのが、
ギリシャ国民が48時間デモに突入し、緊縮策に大反対の抗議を行い、
これを目の当たりにしたギリシャの連立与党内の党首から、
財政再建策(緊縮案)への反対論が出てきたことや、
関係閣僚の辞任が相次ぎ、先行き不透明感が再燃する格好となりましたが、
ギリシャ支援を実施するか否かは、EU、IMF、ECBなど
3機関で作るトロイカ調査団が決定する訳ですが、
その条件としてギリシャは国内で緊縮策を承認しなくては
この第2次支援は無しとなり、その段階でギリシャはデフォルトとなってしまいます。


そして、その「緊縮策承認の採決」というものが
ギリシャ議会で明日12日に実施される予定となっており、
まずはここを通過できるかが週末の注目となりますが、
ギリシャ議会は300議席あり、うち連立与党は252議席。
緊縮策に不支持を表明している国民正統派運動はわずか16議席のため、
よほどのことがない限り否決の可能性は低いとの見方ではあります。


ここを問題無く通過できるようですと15日に控えている
ユーロ圏財務相会合で第2次支援が承認される見通しが広がるため、
とりあえずは相場は落ち着いた動き、
またはリバウンド相場継続の流れを見せることとなりそうですが、
ただ、不安材料として注意しておきたいのが、
来週はユーロ圏の国債入札が下記の様に多く予定されていることです。
 
・13日、イタリア、ドイツ、フランス
・14日、イタリア、オランダ、ベルギー
・15日、スペイン、ポルトガル
・16日、フランス


前月は昨年12月に行いましたECBによる
3年物資金供給オペ(LTRO:約4890億ユーロ)の効果などもあり、
順調な消化が相次いでいましたが、引き続き円滑な消化が行えるのか、
その動向には注意しておきたいところです。


ドル円に関しましては昨年10月31日の介入後の高値79.53円や
80円の大台を予想する強気な見方も徐々に出てきていますが、
まずは10日の予算委員会で、
「前回の介入において78円20銭で介入を止めた」と
安住財務相が発言しました78.20ラインが、
(直近の1/26高値は78.28円)
レジスタンスとして意識されるのか、また突破できるのかが
目先のポイントとなりそうです。


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