【来週の為替相場見通し(2012年1月16日~1月20日)】 来週の為替相場見通し 2012年01月14日 今週はユーロ主導で神経質に振れる展開となりました。 週末金曜日に格付け会社S&Pによるユーロ圏諸国の格下げ観測が飛び出し、 ユーロドルは 2010年8月以来、ユーロ円は2000年12月以来の水準まで下落しました。 S&Pからの公表は日本時間午前6時半ごろとなりましたが、 公表前から各国の格下げの程度が関係者から伝わっており、 結果もそのままとなった為、公表後に大きく相場が動くことはありませんでした。 尚、格下げは仏を含む9カ国となりました。解りやすい図表がありましたので、 下記URLをご参考にして下さい。(参考:YOMIURI ONLINE) URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120114-00000133-yom-bus_all.view-000 今週はその他も全般的に欧州関連のニュースが中心になりましたが、 その中で注目されましたのが欧州債入札と ECB理事会でした。 スペインなど重債務国の国債入札の行方が懸念されていましたが、 おおむね好調だったことで市場に安堵感をもたらし、 7%台に高止まりしていたイタリア10年債利回りも6%台半ばへと低下しました。 また、ECB理事会では事前予想通り政策金利が据え置かれ、 ドラギ総裁会見でもそれほど悲観的なコメントはみられなかったことで、 12日(木)のユーロ相場ではリバウンドの動きが続き、 週初の97円台前半から98円台後半まで上昇する場面もありましたが、 ただ、週末引けにかけては前述のS&Pの格下げの影響で、安値引けとなりました。 ドル円はユーロ中心の取引が目立ち、方向感が乏しく、 76円台後半で膠着した取引が続きました。 来週の米経済指標は 17日、1月NY連銀製造業景気指数、 18日、MBA住宅ローン申請指数、12月卸売物価指数(PPI)、11月対米証券投資 12月設備稼働率・鉱工業生産、1月NAHB住宅市場指数 19日、1月消費者物価指数(CPI)、12月住宅着工・建設許可件数、1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数 20日、12月中古住宅販売件数 が予定されており、今週の発表されました小売売上高が予想を下回るなど、 先週ほどの強い指標は発表されなかったこともあり、 NY連銀製造業景気指数、フィラデルフィア連銀製造業景気指数、 また、回復ペースの緩慢な住宅指標に注目が集まりますが、 既に米経済指標に対する反応は薄く、 来週も引き続き欧州信用不安に左右される動きとなりそうです。 引き続きユーロには ・他の格付け機関による格下げ ・ギリシャ政府と民間金融機関の債務再編交渉の不透明感 ・1~3月の国債と金融債の大量償還 ・ECBによる利下げ観測、欧州の景気後退 などのリスクがあり、先安見通しは消えていませんが、 一方で13日は格下げ騒動でも米国株、欧州株の下げ幅も限られており、 以前から格下げは言われてきたことでもあり、ある程度の織り込みはあったように思います。 ※昨年8月の米国債格下げの時、NYダウは634ドル安のパニックモードでした。 ですので、来週は根強いユーロ安とそれに対する市場の抵抗力の高まりを受けた リバウンドをにらんだ展開となりそうです。 そういった中で来週の注目は欧州での国債入札と首脳会談、 (仏スペイン首脳会談(16日)、独仏伊首脳会合(20日) G20財務相代理会合などがポイントとなりそうです。国債入札の日程は 16日仏短期国債入札 17日スペイン短期国債入札、ギリシャ短期国債入札、ハンガリー短期国債入札 18日ハンガリー短期国債入札、独2年国債入札 19日スペイン長期国債入札、英国国債入札、ハンガリー短・長期国債入札 20日英国短期国債入札 が予定されており、S&Pの格下げを受けて、欧州国債の利回りの推移は、 引き続き相場の波乱要因と考えられますので、注意してみていきたいところです。 また、週末にギリシャの債務交換協議は休止し、 合意に向けた楽観論が後退しているとの報道があり、 18日には協議が再開する公算が大きいとしていますが、 場合によってはユーロ圏で初のソブリン債デフォルトが発生する 可能性もあるとも言われていますので、こちらも来週の火種と考えられます。 PR