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FXチャンピオントレーダー 天羽義治のブログ

FXコンテストNO.1のFXトレーダー天羽義治がFXトレードについて、初心者にもわかり やすく解説します。

【来週の為替相場見通し(2012年2月20日~2月24日)】

今週はギリシャ支援に関する思惑が交錯する不安定な相場展開でしたが、
全般には円安が進行してリスク選好ムードが優勢となりました。


週前半は15日のユーロ圏財務相会合で第2次支援決定が先送りされるなど、
ギリシャ政府の対応に不信感が強まったことや、
米格付け会社によるユーロ圏諸国や金融機関の格下げ報道もあり、
ユーロドルは一時1.30割れへと下落する不安定な動きとなりました。

しかしクロス円は14日に日銀が10兆円の買い取り策拡大を発表すると共に、
1%の消費者物価指数の目途を打ち出したことが円安材料となり、
底堅い動きとなりました。


週後半には来週20日のユーロ圏財務相会合での支援決定への期待が高まり、
リスク選好の動きから、週末にはドル円が昨年10月31日の高値を更新したほか、
ユーロ円は104円台半ば、豪ドル円が85円台へと水準を上げました。


来週の米経済指標は

・20日、米国市場休場(プレジデンツデー)
・22日、1月中古住宅販売件数
・23日、新規失業保険申請件数、12月住宅価格指数、
・24日、2月ミシガン大学消費者態度指数確報値、1月新築住宅販売件数

が予定されています。


今週の市場では米指標の改善によるドル買い戻しの動きが
円安に拍車をかけたという背景もありましたが、
バーナンキFRB議長が16日の講演で、
「最近の改善の兆しにもかかわらず、米景気回復はいら立たしいほど遅い」。
と指摘したこともあり、米経済の要となる住宅関連指標の結果には
注目しておきたいところです。


しかし、来週最大のイベントと言いますと、
やはり20日に予定されていますユーロ圏財務相会合となり、
第2次支援の行方が注目されます。


現段階ではギリシャ支援の最終決定が行われる見通しとなっており、
同時にギリシャ民間債権者との債務削減交渉(PSI)についても
合意されると見られており、仮にその通りになれば、
アク抜からリスク選好ムードが来週も継続する可能性は高くなると考えられます。

しかしながら数ヶ月前までは今回混迷を極めているギリシャ第2次支援は、
もともと既定路線でもあり、本丸はスペイン、イタリア債のロールオーバーを、
ユーロ圏が担保できるかでありましたので、これを通過したからと言って、
中期的なトレンドが好転するかは難しいところではあります。

ただ、短期的には上述の通り、ギリシャ支援が合意されますと
リスク選好ムードが考えられますが、
これまで何事においても欧州は決着しそうになりながら
裏切られる局面がこれまで数多く見られてきているため、
最終的な決着までは楽観は禁物だと思います。

実際にこのギリシャ支援の決定自体は、
財務相会合レベルでは決まらず、3月のEU首脳会議に
持ち越される可能性もあるといった声も聞かれます。


また債務削減交渉(PSI)につきましても、
昨夜の段階でも、自発的な債務交換で十分な参加者が得られない場合に
ヘッジファンドを強制的に債務交換に応じさせる、
いわゆる「集団行動条項(CAC)」を発動することを
支持する用意があるとの発言も出てきており、
ここにきて、債務交換に応じる参加率が極めて
低くなる可能性にもやや懸念が生じています。

つまり、この法案を準備すると言う事は
1000億ユーロの削減に、ギリシャ国債の債務スワップ協議に参加する
債権者の数が足りないということの裏返しでもあり、
その為の強制ヘアカット(債務減免)のための法案を準備するという
「債務削減交渉」についてもリスクシナリオも考えられます。


そして、今回の会合の落とし穴として考えられますが、
格付け会社が20日のユーロ圏財務相会合後に
ギリシャのデフォルト(債務不履行)を宣言するとの噂が出ており、
イベントが無事通過した後も警戒しておく必要はありそうです。


過去の動きではクロス円は2月後半から3月にかけて売られやすい傾向が見られますが、
足元のリスクオンのマーケットが来週以降も継続するかどうか、
まずは20日のユーロ圏財務相会合がポイントとなりそうです。


以上、よろしければご参考にして下さい。


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