【来週の為替相場見通し(2011年11月21日~11月25日)】 来週の為替相場見通し 2011年11月19日 今週も引き続き欧州不安を背景にマーケットは乱高下する展開となりました。 週明けはイタリア新首相に誕生が好感される場面もありましたが、 市場のムードはすぐに冷やされました。 週前半はイタリアの財政改革への懸念からイタリア債入札では 利回りが7%台に乗せ、過去最高水準へと上昇し、 また、スペイン債入札も目標額に未達に終わり、 スペイン債の売りも広がり、一時7%付近まで利回りが上昇したことも、 ユーロ売り材料となりました。 また、フランスやオーストリア格下げの観測が流れるなど、 週前半は特にユーロの売りが目立ち、ユーロドルは1.34台、 ユーロ円は104円割れへと下落しました。 ただ、週後半は悪材料への反応が鈍り、 ややドル安方向へと調整の動きもみられましたが、 欧州債務危機によって、世界的な景気減速が懸念されており、 株式が売られるなどリスク回避の動きが継続し、 リスクに敏感な豪ドルなど資源国通貨は、 ほぼ週を通じて軟調な展開となりました。 ドル円は77円近辺の膠着相場が続いていたが、 76円台半ばへと介入後の安値を更新する場面もありました。 来週、米経済指標(イベント)で注目されるのは 21日、10月中古住宅販売件数 22日、7-9月期GDP(改訂値)、FOMC議事録(11月1、2日開催分) 23日、MBA住宅ローン申請指数、10月耐久財受注、10月個人所得、 10月PCEコア・デフレータ、新規失業保険申請件数 また、他では24日に予定されている独ifo景況感指数においては、 今週15日発表されたZEW景況感指数が前月比で悪化している事から 注意をしておきたいところです。 来週も、今週同様にユーロ圏の財政問題に市場の関心が向かっている影響で、 ここ最近と同じく、米国の経済指標に対する反応は限定的かと思われ、 引き続き欧州で政策対応が進展すると、ユーロ高やリスク選好のドル安。 反対に根強い債務金融不安や政策への失望が続くと、 ユーロ安やリスク回避の円高の反応となりそうです。 また今週は特にイタリア、スペインの国債利回りを リスク許容度のバロメーターとして、動く展開となりましたので、 来週もこちらの動向には注目しておきたいです。 そして、来週のポイントとなりそうなのが、 米財政赤字削減をめぐる米民主・共和両党間の協議は、 23日が合意期限となっている点です。 これに先駆けて、今週19日の期限切れを前に、『暫定予算案』については オバマ大統領が12月16日までのつなぎ予算案に署名し、 とりあえずは政府機関の閉鎖という最悪の事態は回避されており、 デフォルトの可能性は低いと考えられますが、 協議の難航は市場参加者に米格下げのリスクを意識させ、 リスク回避の動きを誘発する可能性も考えられます。 来年の大統領選挙を睨んで、民主・共和両党ともに妥協を 許せない時期にさしかかっているため、 この議論はギリギリまで合意に至らない可能性も考えられ、 つまり、来週は債務問題が『欧州→米国』へと、 その矛先が変わることも想定しておく必要があるかもしれません。 尚、合意に至らなかった場合や協議が難航すれば、 リスク回避や米国債の格下げリスクにより、 ドル全面安や円全面高の波乱リスクが警戒されます。 来週はその23日以降は米感謝祭入り(24日休場、25日短縮取引)となるため 例年の動きから見ると、マーケットは閑散となりやすく、 週後半は動意の薄い展開にやすいと考えられますので、 23日の結果や感謝祭前の投機ポジションの手仕舞いが、 各種通貨ペアの短期的なトレンド反転を招く展開も想定しておきたいところです。 PR