【来週の為替相場見通し(2012年1月9日~1月13日)】 来週の為替相場見通し 2012年01月07日 今週は昨年末からのムードを引き継ぎ、ユーロ売りが先行しました。 伊銀行最大手のウニクレディトの新たな増資発表が 欧州債務問題の解決は難航するとの思惑を台頭させ、 またスペインが抱える債務問題を背景とした 欧州金融安定基金(EFSF)およびIMFへ支援要請を 検討しているとの報道が材料視され、欧州債務問題への警戒感から、 ユーロ売りが強まりました。 ユーロドルは4日に1.29ドルラインを割り込み、 5~6日には立て続けに2010年9月の安値を割り込む動きとなり、 また、ユーロ円は週末に一時97円台に下落し、 11年ぶりの安値水準を更新しました。 一方、米経済指標は昨年末から好調な結果が相次いでおり、 ユーロ圏との対比から、ユーロ売りドル買い圧力となっています。 週末の米雇用統計は予想外に強い内容となったものの、 事前に上振れが織り込まれていたことや、 年末商戦向けの臨時雇用の影響が大きく、持続性に不透明感があること、 また、欧州懸念が重石となっており、市場は慎重な反応を見せ、 年明けの世界の株式市場の第一週目は全般にさえない動きとなりました。 来週の米経済指標で注目されるのは 11日、米地区連銀報告(ベージュブック) 12日、米新規失業保険申請件数、12月米小売売上高、 13日、11月米貿易収支、1月ミシガン大・消費者態度指数・速報値 などがありますが、 この中ではベージュブックと米小売売上高の注目度が高く、 最近の指標改善は一過性のものか、持続的なものか。 早期の追加緩和は実施されるのか、当面は現状維持が続くのか。 今後のドルを大きく左右すると考えられ、 景気判断や政策スタンスが注目されます。 改善傾向が示されると、ドルにとって追い風になりそうです。 そして、問題となっているユーロでは重要イベントが相次ぎ、 独仏首脳会談(9日)、独伊首脳会談(11日)、ECB理事会(12日)に加えて、 スペイン(12日)、イタリア(13日)の国債入札が予定されており、 来週は失望によるユーロ続落のオーバーシュートと、 いったんのユーロ安の自律反発をにらんだ神経質な展開が考えられます。 9日の独仏首脳会談欧州では、30日にEU首脳会合が予定されており、 それに先立って、独仏両首脳が前回12月に決定した EUの財政規律に関する新規則についてが中心的な議題と思われますが、 11日は独伊首脳会談が行われることから、 現在市場の話題となっている伊銀行最大手のウニクレディトをはじめ、 欧州金融機関の抱える問題などについても話し合いが行われるとみられます。 また、2月、3月に控える、イタリア、ギリシャなどの国債の大量償還を前に 資金繰り関連の話も出てくると見られており、 終了後の発言などに注意しておきたいところです。 そして、国債入札はここしばらくは非常に注目度が高くなっている為、 これが不調に終わった場合には特に注意が必要です。 欧州情勢には引き続き注意を払っていきたいと思います。 PR