【来週の為替相場見通し(2011年12月26日~12月30日)】 来週の為替相場見通し 2011年12月24日 今週はクリスマス休暇を控え、全般に取引参加者が減少するなかで、 話題の中心は引き続き欧州債務関連となり、 欧州債動向に市場は神経質に反応することとなりました。 今週はユーロ圏財務相らによる電話会合、 ドラギECB総裁の欧州議会での証言、スペイン債入札、 ECBによる初の3年物資金供給オペなどが実施されましたが、 商品先物取引委員会(CFTC)が発表していたIMMの投機筋の建て玉は 12月13日時点でユーロの売り越しがユーロ導入以来で 最大の水準に拡大していたこともあり、 ショートポジションの積み上がりから積極的に下値を試す動きとはならずに、 ユーロは下げ渋る動きとなりました。 ただ、欧州債やドル調達金利の動向を見る限りは 欧州への懸念は払拭されておらず、 ユーロ相場の戻りは限定的となっています。 来週、米経済指標で注目されるのは 27日、10月ケースシラー米住宅価格指数、12月消費者信頼感指数、 12月リッチモンド連銀製造業指数、 29日、新規失業保険申請件数、12月シカゴ購買部協会景気指数、 11月住宅販売保留指数が発表 がありますが、市場では欧州債務問題の進展に焦点が集まっているため、 これまで同様に米経済指標などに対する為替市場の感応度は 依然として低いと考えられます。 来週前半は欧米市場やアジア各地でもクリスマスの振替え休日となるため、 週前半は大きな動きとはなり難そうですが、 週中から海外勢は年明けを睨んだ新年のポジション組成に 例年動きはじめる事から、相場が大きく動く可能性もありそうです。 特に週末にはまとまったフローが出てくると考えられますが、 今年に関しては欧州域内の銀行を中心に まとまったドル需要が強まる可能性が強いとの見方も多く、 そうなった場合はユーロ売り、ドル買いの再開となりそうです。 その様な中で注目していますのが、29日のイタリア国債入札です。 週末のイタリア10年債利回りは警戒水準である 7%を上回っているような状態でありますが、 この背景としては先日行われたECB3年物資金供給オペの後、 資金がイタリア債に入らないとの思惑から悲観され、 利回りが急上昇しています。 つまり、この29日のイタリア国債入札で、 ECBが500以上の域内銀行に供給したおよそ50兆円の資金が、 イタリア債の購入に使われるのかどうかという部分が 焦点になってくるかと思います。 もし、この入札が不調に終わるようなら、 そもそも供給オペ事態が大失敗に終わったということになる為、 年末ながらもユーロは大きく売られる可能性も考えられます。 (ユーロ安、ドル高) このような背景から来週のマーケットを見た場合に、 比較的安定して推移するのが良好な経済指標の発表も続いている 堅調なドルではないかと見ております。 PR