【来週の為替相場見通し(2011年12月19日~12月23日)】 来週の為替相場見通し 2011年12月17日 今週は、ユーロ売りが強まる展開となりました。 前週のEU首脳会議では英国抜きでの条約改正に合意しましたが、 週明け早々にムーディーズなど格付け会社から 首脳会議に結果は不十分との評価が下されたこと。 また、メルケル独首相がEMS拡大に難色を示すなど、 市場の期待に水を差す発言をしたことに加え、 フランス格下げへの思惑などもあり、 イタリア債など欧州債売りは一服していますが、 ユーロドルは今年1月以来の1.30の大台割れ、 ユーロ円は101円近辺まで水準を下げることになり、 週を通してユーロ売り圧力が広がりました。 また、週末にフィッチがイタリア、スペインを始めとした 欧州の一部の国の格付け見通しをネガティブに変更し、 フランスについてはAAA格付けを継続としましたが、 見通しは「ネガティブ」と発表しています。 今週はユーロ売りとともにドル買い傾向が顕著でしたが、 原油や金など商品市況が崩れており、資源国通貨の売りも目立ち、 クリスマス週を控えて、全般的なムードはリスク回避方向でした。 尚、13日に開催されました米FOMCでは 強い経済指標を背景に米景気認識をやや上方修正するなど、 量的緩和第3弾(QE3)期待を後退させる結果となりました。 来週、米経済指標で注目されるのは 20日、11月住宅着工・建設許可件数 21日、MBA住宅ローン申請指数、11月中古住宅販売件数 22日、7-9月期米実質国内総生産(GDP、確定値)、新規失業保険申請件数、 12月ミシガン大消費者態度指数・確報値 23日、11月耐久財受注、11月新築住宅販売件数 などがありますが、それほど重要度の高い指標でないことと、 欧州懸念に焦点がいっている今の相場では 以前予想と大きくかい離がない限り、 来週の米経済指標の内容では相場はほとんど動かないと考えられます。 来週も引き続き欧州に目が向けられると考えられますが、 「欧州諸国の一斉格下げが秒読み段階」との声も出ていますので、 S&Pの格付けが出るまではユーロの戻り売り圧力は根強いと考えられます。 ただ、週初19日に急遽ユーロ圏財務相会合開催の可能性が浮上しており、 何か材料が出てくるのか注目となりそうですが、 年末年始の市場混乱回避に向けた危機対応が強化されますと、 ポジション調整的なユーロ反発や欧州通貨や資源国通貨の上昇、 リスク回避の後退によるクロス円の円安を招く可能性もありそうです。 他に来週もスペイン、ギリシャの国債入札が予定されており、 欧州の国債利回りの推移には注意しておきたいところです。 来週は、本格的なクリスマス休暇入りの中、 引き続き欧州の格下げ懸念や信用不安が相場の圧迫材料となりそうですが、 何か好材料が出た場合のポジションの巻き戻しには注意したいところです。 PR