忍者ブログ

FXチャンピオントレーダー 天羽義治のブログ

FXコンテストNO.1のFXトレーダー天羽義治がFXトレードについて、初心者にもわかり やすく解説します。

【来週の為替相場見通し(2011年11月7日~11月11日)】

今週は日銀の介入とギリシャ国民投票が大きな話題となりました。

ドル円は10月31日に週明け早朝に75.32円と戦後最安値を更新し、
75円割れ阻止のために政府・日銀が市場介入を実施し、
一時79.55円まで急騰しました。

その後は、78円近辺での取引が続きましたが、
市場では「78.00円より円高の水準では当局が円売り・ドル買い介入を
実施しているのではないか」との指摘もありました。

前週までの連日の最安値更新の動きは落ち着いた形ですが、
ただ、介入実施日以降のドル円は狭いレンジでの取引が続き、
方向感のない状態となっています。


そして、今週特に注目されましたのが、ギリシャ首相が支援の是非を問う
国民投票実施を発表したことでした。

否決されれば、ギリシャのデフォルトやユーロ圏離脱は必至との観測が広がり、
週前半は世界的に株式市場が不安定な動きとなりました。

また、11月3日のドラギ新総裁が就任して初のECB理事会では、
大方の予想に反してサプライズとなる、0.25%の利下げが発表され、
またドラギ新総裁が初会見で、緩やかなリセッションの可能性に言及していたことから、
ユーロは売りが強まりましたが、ギリシャ財務相が国民投票は実施しないと言明したことで、
ユーロは一気にECB後の下げを取り戻し、リスク選好の雰囲気が強まる中、
資源国通貨やポンドも買い戻される展開となりました。

そして、週末の米雇用統計は失業率が改善されるなど、まずまずの内容でしたが、
反応は一時的でギリシャ首相の信任の問題やメルケル独首相が
G20諸国からEFSFへの参加意向はほとんど示されなかったとの発言に関心が注がれ、
欧州問題に警戒感を残したまま週末を迎えることになりました。
 
尚、ギリシャの内閣信任案が可決に至っており、対ギリシャ支援策の実施を危うくし、
ユーロ圏経済危機の深刻化を招きかねない解散・総選挙は回避された形です。


来週、米経済指標で注目されるのは

10日、9月貿易収支、新規失業保険申請件数
11日、11月ミシガン大学消費者態度指数速報値

があります。

※来週より米国は冬時間に移行するため、
各指標の発表時間がこれまでより1時間遅くなります。


市場では欧州債務問題の進展に焦点が集まっているため、
米経済指標などに対する感応度はやや低下しているように感じます。

また、市場では欧州債務問題の進展に焦点が集まっているため、
引き続きギリシャ絡みの報道や観測記事には注意が必要で、
特に来週前半は7日ユーロ圏財務相会議や8日EU財務相理事会が予定されており、
引き続き、ギリシャやイタリアの財政不安と政策対応に、
一喜一憂の展開が続く可能性があります。

また、市場ではギリシャのパパンドレウ内閣が信任投票で信任されたとしても、
同国に対する支援措置や債務を抱える他のユーロ加盟国に対する懸念は引き続き存在するため、
ユーロに対する圧迫は続くとの見方が強かったこともあり、
信任案可決によって、週明けがどのように始まるのかを注目していきたいと思います。


またこれまで単独介入後はドル円は簡単に円高に進むケースが多かったですが、
今回の介入ではすでに10兆円以上が使われていると言われており、
78円付近で下げ渋りの展開となっています。

ただ、米欧豪英などの中銀に金融緩和の観測が残ることや、
欧米景気の先行き不安を背景に、基本的に逃避マネーが
円買いに向かいやすい状況ではありますが、
月末を過ぎたことで国内輸出企業の円買い・ドル売りが減少することや、
 
週末のG20サミットの首脳宣言では
「為替の過度な変動や無秩序な動きは経済・金融の安定に悪影響を及ぼす」との文言を盛り込まれており、
投機的な円高仕掛けには介入のお墨付きを得ているとも受け止められ、
当局による介入観測によって、ドル円、クロス円の下値支え材料となるかにも注目です。

PR